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バリアフリー住宅で考えるべきこと

 

設計作業風景

こんにちは。広報の鈴木です。

数年ほど前から、60歳の母の膝が悪くなり(と言ってもジムで動きまくっている)
階段の上り下りが難しくなってきました。
いつか、車椅子が必要になった場合の実家のバリアフリー化を考えているところです。

と言うことで、今回はバリアフリー住宅を建てようと思ったときに考えるべき必須事項をお伝えします。

バリアフリー住宅と言うのは、老若男女身体が不自由な人でも快適に過ごすことができる住宅を指します。

足腰が弱くなってきた時に、廊下やトイレ、浴室に手すりを追加で取り付けるなどの小さな工事の場合は
後付けでも簡単に対応できますし、介護認定を受ければ国から補助金(最大18万円)が受けられます。

住居者が65歳以上、要介護・要支援認定を受けている、障がいがある のいずれかに当てはまる場合は
バリアフリーリフォーム減税(所得税の控除最大20万円)も受けられます。

しかし、一般住宅から車椅子対応の住宅にする場合、柱や壁、基礎を変える必要が出てくると
1000万円、またはそれ以上必要になることも少なくありません。
補助金や減税を受けたとしても全然賄えません。

なので、終の棲家にしようとお考えの場合は、最初からある程度バリアフリー対応のお住まいにしておいても良いと思います。

 

考えるべきこと

〇 段差をなくす
畳スペース

例えば小上りの畳スペースは人気ですが、バリアフリーの観点で見ると、フラットの方が良いです。
小さいお子さんなら、落ちる危険もありますし、車椅子の方はスロープがないと上がることが出来ません。
足腰が弱ってきたら、30㎝以上の段差を上がることは億劫になります。

 

〇 玄関の上り框の高さ
框

玄関の上り框も低くしておくと、将来スロープを置いても傾斜が緩やかになります。

注意が必要なのは、高い段差よりも数センチの段差の方がつまずきやすくなることです。
なので上り框については15~18㎝で設計し、手摺を付けるのが良いかと思います。

車椅子が必要になればスロープを。

 

〇 1階完結型にする
設計

元気なうちは階段の上り下りは平気ですが、うちの母のように上るのが辛くなる時が来ます。
そうなっても大丈夫なように、LDK、トイレ、洗面脱衣室、浴室、主寝室は1階にまとめましょう。

 

〇 住宅設備
バリアフリー洗面台

車椅子の方や、長時間立っているのがしんどくなってきた方向けに、座った状態でも作業ができる
キッチンや洗面化粧台が各メーカから発売されています。
▶ LIXIL | キッチン | ウエルライフ

造作で造る場合は、高さを調節し、キッチンの下、洗面台の下に車椅子が入るスペースを確保しましょう。

 

〇 トイレ
バリアフリートイレ

トイレは、1.5畳以上のスペースを確保しておくと、介助がラクにできます。
2畳あると、車椅子でも余裕をもって入ることが出来ます。

また、トイレのドアの位置も、便座の正面ではなく、横から入れるようにすると
用を足す時に180℃くるっと反転する必要がなくなるので使いやすくなります。
なので、手洗いはトイレのタンク上でなく、回らなくても良い正面や横に取り付けましょう。

 

〇 建具は引き戸を
引き戸

引き戸は、開き戸と違って取っ手を掴みながら一歩進んだり、後ろに下がったりという動作が
不要になります。

その為、車椅子の方でも簡単にドアを開けることが出来ます。

また、車椅子で通れるギリギリの幅は手動車椅子で70㎝です。
(電動車椅子の場合は75㎝以上必要)
余裕をもって、ドアの開口の幅を80~90㎝は確保しておくと良いです。

 

〇 手摺
トイレ

手摺は段差のあるところや廊下、トイレ、浴室には最低限必要になります。

後から取り付ける場合、下地の有無によって工事費が異なります。
予め、下地だけでも入れておくと良いでしょう。

 

〇 通路の幅
廊下

・幅80㎝・・・車椅子で通過できる寸法として最低ラインです。(直進のみ可能)

・幅90㎝・・・車椅子で通過しやすく、通路としても通過できる寸法です。(角を曲がることができる)

・幅120㎝・・・人が横向きになることで、車椅子使用者とすれ違うことができる寸法です。

・幅140㎝・・・車椅子使用者が、180°の方向転換ができる寸法です。

・幅150㎝・・・車椅子使用者が回転できる寸法です。

・幅180㎝・・・車椅子でも回転しやすく、車椅子同士がすれ違うことができる寸法です。

家で車椅子を使うときは身幅と廊下での回転や曲がり角を考える | 車椅子のお役立ち情報 (kurumaisu-kaigo.com) より

 

〇 外構
スロープ

車椅子でも玄関まで通れるようにするにはスロープが必要です。

スロープにする場合、勾配を考慮すると階段よりも長い距離が必要になります。
そのことを踏まえて玄関の位置を考えましょう。

 

〇 玄関土間の広さ
広い玄関土間

車椅子を室内用と屋外用で乗り換える時に、土間が広いとスムーズに行えます。
(介助の有無、足腰の度合いによって移乗に最適な場所は変わります)

屋外用の車椅子を置いておくこともできます。

 

〇 スイッチの位置
スイッチ小

スイッチは座った状態でも手が届く位置に設置しましょう。
レンジフードはリモコン操作ができるものもあります。

 

冒頭でもお伝えしましたが、一般住宅を車椅子に対応した住宅にリフォームする場合
補助金や減税があったとしても、全く賄えません。

事故や病気で、何時だれが車椅子が必要になるかわかりません。

家づくりを考えるときは、ある程度のバリアフリーを考慮した間取りにしておくと安心です。

 

 

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