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バルコニー防水処理について

 

こんにちは、メンテナンス&リフォーム担当の大野です。
今回はバルコニー防水処理のお話です。

2~30年前に、別の会社でご自宅を建築したお客様から、
「1F出窓上付近から雨漏れする為、見て欲しい」との相談を受けました。

現地確認をしたところ、雨漏れ箇所の上部がベランダになっており、防水層が断裂しています。
触るとプカプカしている状況で、この断裂部より浸水しているのは明らかです。
バルコニー防水①

バルコニー防水②

他の箇所でも新たな亀裂が入り始めていたので、今回は
防水層と珪酸カルシウム板、合板を全面リニューアルします。
まずは撤去から。
バルコニー防水③

バルコニー防水④

防水層の下に貼ってある珪酸カルシウム板と合板が、水分でボロボロになっています。
ひどい箇所は、その下の受桟も朽ちていました。
防水層に亀裂が入れば、当然この様な状態になりますが、問題は合板の下の受桟にありました。

受桟には、合板と珪酸カルシウム板、防水層を支える重要な役割があります。
通常は303㎜(1尺)間隔で敷き並べますが、455㎜(1.5尺)で施工してありました。
(矢印の部分が受桟)
バルコニー防水⑤

152㎜の差は、たいした違いではない様に感じるかもしれませんが、
防水層にとっては、実は大きな違いとなります。

合板が新しいうちは問題ありませんが、湿気により次第に
合板は柔らかくなってきます。その状態で上に乗ると、たわみが生じ、
最終的には合板継ぎ目付近の防水層に、亀裂が入ってしまいます。

このたわみを防ぐ為に必要な受桟間隔が、303㎜(1尺)という訳です。

幸いまだしっかりしている受桟が多数ありましたので、それを生かしつつ
間にもう1本入れ、227.5㎜間隔で今回は施工しました。
(写真は合板貼り後。矢印の下に受桟が入っています)
バルコニー防水⑥

合板の上に珪酸カルシウム板を、同じく227.5㎜間隔で固定します。
合板継ぎ目と珪酸カルシウム継ぎ目が、同じヵ所にならない様、
ずらして貼る事により、より亀裂が入りにくくする事がポイントです。
バルコニー防水⑦

ここからは防水業者さんの出番。
各種下処理を行い、プライマー※1、FRP樹脂※2、トップコート仕上げにて完成です。
※1、建築工事の下塗り塗料として用いられる材料のことで、上塗りとの接着性を高めたり、あるいは下地を強化したりするなど、下地処理がおもな目的となります。
※2、樹脂プラスチックにガラスなどの繊維を混合させ、強度をアップさせた複合材料です。

▶プライマー
バルコニー防水⑧

▶FRP樹脂
バルコニー防水⑨

バルコニー防水⑩

▶トップコート
バルコニー防水⑪

▶完成
バルコニー防水⑬

基本をしっかり押さえているかいないかで、後々のメンテナンス費用にも
大きな違いが出てしまいます。基本が如何に大切であるかを、
改めて感じた今回の案件でした。

 

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