こんにちは。工事担当の長尾です。
今回は屋根工事についてお話します。
まず、今回の物件の屋根は『片流れ』という形状で
長さが17m超え!という特殊な屋根です。
仕上材の板金は設計者のこだわりもあり、県内では制作できず
他県よりトレーラーをチャーターして運搬して来ました。
17m以上もある屋根材を屋根まで荷上げするには当然、レッカー車で荷上げをするのですが
板金が折れ曲がらないように専用の*治具を使います。
*治具:部材を固定、移動、加工などが正しく行えるよう、それぞれの部材専用に開発された道具
部材が屋根に上がったら、1枚ずつ並べていきます。
ここまでガードマン含め10人以上の職人さんたちを集め、一気に行い、作業時間は2時間程度です。
半日もするともう屋根が葺きあがった感じになります。
これで完成ではなく、ここからが職人技の見せ所!
板金のジョイント(継ぎ目)を接合します。
現在の一般的なジョイントは、工場で凸凹加工をし、現場では簡単に接合できるようにしますが
今回は、先程述べた設計士のこだわりで昔ながらの“ハゼ締め”という技法を用います。
ハゼとは金属と金属を折り曲げて接合させた部分のことを指します。
このハゼを締めて施工する方法のことハゼ締めと言います。
ハゼを締めるのに必要な2種類の治具を使って板金と板金を順番に繋ぎ合わせていきます。
職人さんの足元部分のジョイントが締められて細くなっているのがわかります。
これを1人の職人さんが2日がかりで行い、全部を接合し終えました。
今回のように、現場でハゼ締めを行う屋根は『縦ハゼ葺き』と呼ばれており、
工場で凸凹加工された屋根を接合する工法は『縦平葺き』と呼び変えて分類分けしています。
参考に、両方の仕上がりを見比べてください。
● 今回の縦ハゼ葺き ↓
● 縦平葺き ↓
断面が全然違いますね。
屋根の上は普段見ることがない部分ですが、こんなところにも設計士のこだわりや
職人技があります。
近々この物件も完成です。
完成後、このこだわりと技がどう見えるか
次回お届けしたいと思います。
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