こんにちは、メンテナンス&リフォーム担当の大野です。
今回は住宅についてではなく、稲荷社修繕のお話です。
グループ会社の材惣木材株式会社敷地内には、王子稲荷の分社となる稲荷社が祀られています。
天保9年、紀州藩より未回収となっていた材木資金回収の為、5代目惣兵衛が江戸へ出向き
王子稲荷で願掛けをしました。
その結果、無事回収出来た事を祝い、祀られた稲荷社との事です。
以後移転を繰り返し、現在地の飛島村敷地内に祀られていますが
塀の傷みが目立つようになった為、修繕する事となりました。
雨による腐食と白蟻による食害が傷みの原因の様です。
今回、腐食に強いヒバ材を使用。
大工が加工した材に、防蟻材を塗ります。
続けて白色の下塗り剤、朱色の仕上げ剤塗り。
乾燥後、組立てに入りますが、腐食と白蟻の食害を少しでも減らす為、少し工夫をしました。
工夫①
木製土台パッキンの下に、スペーサーを入れ、水が切れやすくしました。
工夫②
土台と柱の接合は、※1“ほぞ加工”ではなく、白蟻の被害に遭ったとしても強度を保つ筒状のほぞパイプを使用。
切欠きを小さくすると共に、腐食を防ぐため土台下まで穴を貫通させ、水が抜けやすくしました。
写真では見づらいですが、ほぞパイプ固定は、土台と柱に
ドリフトピンと呼ばれる金物を打ち込んであります。
※1ほぞ加工・・・角材と角材の接合部に用いられる接ぎ手(接合方法)。
一方の部材に ”ほぞ”(凸部)、もう一方の部材に ”ほぞ穴”(凹部) を作り、嵌め合わせて接合する。
工夫③
地表より少し上部で添え柱をカット。
以前は、柱補強用添え柱を地中に埋めてしまっていたために、ここから白蟻が侵入していました。
なので今回は、地表より少し上部で添え柱をカットし、白蟻の侵入を防ぐよう工夫しました。
ただ少し不安定なので、添え柱下部に取付けしたほぞパイプを、地中でコンクリート固定しました。
白蟻は乾燥から身を守る為、蟻道と呼ばれる泥のトンネルを作り、その中を行き交います。
もし食害を受けてしまっても、初期であれば、簡単な処理で済む事がほとんどです。
住宅でも同じですが、白蟻が侵入した形跡の有無を、定期的にチェックする事が大切です。
(写真は、古い住宅の布基礎から侵入した蟻道で、一部土台に食害が出ている状態)
そんな感じで順調に組立て、無事完成となりました。
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