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上棟式と本音と建前

 

今回は、上棟式に関することわざについてのお話しです。

みなさまは、どのような上棟式を知っていますか?

上棟式とは、平安時代初期から行われている、建物の守護神とお匠の神を祀って、棟上げまで工事が終了したことに感謝し、無事に建物が完成することを祈願する儀式です。

地方によって様々な風習があり、お餅を投げたり、硬貨を投げたりするところもあるそうで、近所の人にとって上棟式はお餅をゲットできる一大イベントなんだそうです。

上棟は、「建前」、「棟上げ」、「建て方」とも呼ばれます。

実は、この「建前」がことわざの「本音と建前」の語源となったという説があります。

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むかし、とても高名な棟梁がいました。その棟梁が明日が建前という前日の夜に自分のミスの気づきます。

柱を短く刻んでしまい、どう考えても修復できない・・・

棟梁は自分の未熟さに死のうと考えます。

それを見た棟梁の奥さんが、自分が代わりに死んでも良いとまで思い、棟梁に酒を飲ませて寝かしつけます。

そして奥さんが寝ないで考えたのが、枡を使って補修する方法でした。

朝、目覚めた棟梁に枡を差し出し、棟梁はそれを受け取ると「わかった!」と言い、柱の補修を行い事なきを得たのです。

ところが、自分の恥が表に出ることを恐れた棟梁は、口封じのために奥さんを殺してしまいます。

それから棟梁は、自分の犯した罪を悔い、未来永劫、弔うと心に誓い、女の七つ道具(口紅、鏡、櫛、かんざし、おしろい、こうがい、かつら)を棟の上に飾って供養したと言うのが建前の儀式の始まりと伝えられています。

「タテマエ」にこだわるあまり愛する奥さんを殺してしまった男の見栄や意地に、「ホンネ」で応えた女の悲話が「本音と建前」の語源となったと言われています。

なんとも悲しいお話ですが、あくまでも一説です。

他にも商人が、客が立つ前で調子の良いことばかり並べた商品説明をするものから「立前」という語が生まれ、「建前」に変化したと言う説もあります。

私たちが普段何気なく使っている言葉の裏側には、このような物語があるのかと思うと面白いですね。

そして、意外にも建築用語からきたことわざが多くあるということに驚きです。

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